鏡獅子

たまのり

2010年11月12日 06:16

国立劇場の「鏡獅子」を製作した、平櫛田中の彫刻美術館。
玉川上水上のすぐそばに107歳でなくなられるまでの10年間すごされた
アトリエつきの邸宅が公開されています。

作品は撮影NGでしたので、庭の風景だけ。



























20年の歳月をかけて完成した鏡獅子の試作品を見ると
色彩がなくても迫力を感じます。
毎日、歌舞伎の舞台をいろんな角度から見て
作られたものだそうです。



岡倉天心や禅僧の影響を受け、すごく精神性の高いもの。

以前行った時に、目を引いたのが
“尋牛”
自分の飼っていた牛がいなくなって、それを探しに行きます。
探し疲れてやっと見つかった牛。
帰りは牛の背に乗って家に向かいます。
行きの、小枝を持って探す姿、、、
この小枝までも、1本の木を彫ってつながった作品と聞いて、驚きました。

また赤福さんの原型と言われるブロンズ像も、
着物の着ている姿が横から見ても
後ろから見ても明治の女性の凛とした感じそのもの。



平櫛田中は、星とり機というテクニックを使っています。
コンパスの様な器械、それも3Dの世界の、、、
すごい先進的で、知的で、精神性の高い方だったようです。

100歳の時に20年後の製作を目指して取り寄せた原木。(1枚目の画像です)
永遠の命があったら
まだまだ彫り続けたかったでしょう。

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